個人向け国債(変動金利タイプ)に投資初心者は手を出すな
個人向け国債には変動金利タイプと固定金利タイプの2つがあります。
個人向け国債は、発売された当初からブームになっていて、特に変動金利タイプについては、かなり人気が出ています。
将来、利上げが見込まれている中で、金利が市場金利に連動して上がっていく、という商品性は確かに魅力的です。
でも、それが、実際にどれほど有利か?ということを考えたことはあるでしょうか?
個人向け国債(変動金利)の利息の決まり方
ここで満期10年の個人向け国債(変動金利)の金利の決め方を見てみましょう。個人向け国債(変動金利)の金利は、下記のような算式で決定されます。
10年固定利付国債の利回り−0.8%
ここで、注目してほしいのは、普通の国債利回りから0.8%差し引かれて金利が決まっている、という事実です。
このことをご存じだったでしょうか?
変動金利型の個人向け国債の利率は、変動金利である、という有利さと相殺される形で、利息の水準が非常に低く抑えられてしまっているのです。
個人向け国債(変動金利)の利息の決まり方
さて、それでは、実際に金利の推移に応じた利息の金額を比較してみましょう。
変動利付国債の利回り推移
上の表は、以下の5つのパターンで投資をした場合に得られる利息総額(税引前)をグラフにしたものです。
- 利率が今と変わらない場合
- 利率が年平均+0.125%ずつ上昇し、10年後の市場金利は2.825%になる場合
- 利率が年平均+0.25%ずつ上昇し、10年後の市場金利は3.95%になる場合
- 利率が年平均+0.5%ずつ上昇し、10年後の市場金利は6.2%になる場合
- 固定利付き国債に投資をした場合
上のグラフを見てみると、普通の国債(固定利付き国債)よりも利回りが良くなるのは、利息が毎年0.25%ずつ上昇するか、それ以上上昇した場合であることがわかります。
その場合、10年後の市場金利は約4%になっている計算になります。
個人向け国債(変動金利)はあまり有利ではない
このように、普通の国債を買うよりも、個人向け国債を買ったほうが得になる、というケースは考えづらいのが実態です。
むしろ、これから、不景気に逆戻りしてしまうと、逆に損をしてしまう可能性さえもあるのです。
もちろん、将来がどうなるかは誰にもわかりませんから、個人向け国債に投資資金の一部を振り向けることは構いません。
ただ、間違えても、全資産を個人向け国債に振り向けることはやめておいたほうが無難です。